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Vol.5 沖縄のお笑い事情 活躍の場は広がっている!?盛り上がりをみせる沖縄のお笑い業界の現状と課題 | おきなわMIRAI'S(ミライズ)

活躍の場は広がっている!?盛り上がりをみせる沖縄のお笑い業界の現状と課題

最近では、沖縄に事務所を置く企業も増え、ますます盛り上がりを見せる沖縄のお笑い業界。多くのお笑い芸人がいる中で、2022年新春O-1グランプリで優勝したありんくりんのお二人と、FM沖縄でディレクターを務める伊是名優子さんに、沖縄のお笑い業界の現状や課題についてお聞きし、沖縄の未来図3ヶ条を一緒に作っていきたいと思います!

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Contents

沖縄のお笑い環境は恵まれている!けどまだ古い!?

「沖縄は芸人さんが多く盛り上がってるイメージ」とミキトニーさん。実際はどうなのか、有識者のみなさんにお聞きしました。

2つもお笑い大会があるのは珍しい!

「今は県内に3つの事務所があり、大御所~若手の方が居て、伝統を引き継ぎながら、沖縄ならではのお笑いが発展している印象」と伊是名さん。

だからバラエティ豊かなタレントさんが多く、お笑い環境としては活動しやすいそうです。沖縄では有名なお笑いの大会が2つありますが、他の地方では独自のお笑い大会があることが珍しいそう。

伊是名さんのお話を聞くありんくりんのお二人
伊是名さんのお話を聞くありんくりんのお二人

売れっ子になるには時間がかかる、沖縄県民をもっとお笑いファンにする!

「今はまだ歴史!」と名言(迷言?)がクリスさんから飛び出しました。O-1グランプリで3回優勝し、お笑いバイアスロンで1回優勝して、やっと最近レギュラーがもらえるようになったそう。

「他県は芸人さんがMCやること多いよね?」とミキトニーさん。なぜ沖縄は、少ないのでしょうか?

若手を紹介できる番組や、才能ある芸能人が発信できる場所を。

「才能がある人たちの数より、(MCなどの)席が少ないっていうのはある」と伊是名さん。いい意味で、ご長寿番組が多く、若手の育成枠が少ないと個人的には感じているそう。

また、スポンサーファーストな番組の作り方にも起因するものがあるかもしれません。

沖縄のお笑い業界について語るクリスさん
沖縄のお笑い業界について語るクリスさん

「ラジオは非常にフットワーク軽く進化しているイメージがある。芸人さんを掘り下げる番組作ったり、若手を起用する原動力は何ですか?」と聞く神山さんに伊是名さんが答えます。

合う・合わないじゃない!番組作りは若手の教育・育成の目線が大事。

「才能のある人たちがいっぱいいるのに全然知られてないっていうこの現状が歯がゆいんです。」と、伊是名さん。大御所も、若手も才能のある方はたくさんいるが、そこに見合った席が少ないと感じるので、その枠を広げていきたいそうです。

また、番組を作る上で、制作側と芸人の合う・合わないも少なからずあるそう。
「面白い番組にしようと思わないの!?」と憤るミキトニーさんでした。

盛り上がる伊是名さんと神山さん
盛り上がる伊是名さんと神山さん

脱マルチタレントで、個性の光る芸人に!

「事務所3つは多すぎる!一つでいいと思う!」とスタジオを沸かせるクリスさん。事務所が多いと、大人の事情で活躍の場が限られてしまうことも。事務所同士の壁は大会のときなどで、なんとなく感じる部分もあったそうですが「ネタでぶち壊した!」という自負があるそうです。

メディアから芸人が求められていると思うことは何?

瞬発力やネタなどの他に、「芸人さんに限らず、私たちタレントも自分たちのフィールド以上のことを求められて、それができて当たり前。じゃないと使われないところがある」とミキトニーさん。芸人さんはネタ一本でいきたくても、トーク力やMC力も求められている現状があるとのこと。

制作は芸人に甘えている!?

「マルチ化してないと(芸人さんたちを)使い切れないっていうのは、多分制作側のスキル不足が原因」という伊是名さん。芸人さんの持ち味を提供できてないのは、キャスティング側が個性を理解できてないのでは…とドキッとしているご様子でした。

狭い業界だからこそ、すぐに噂が回ってしまう恐怖心からか、いい子であることが求められてるのでは?と盛り上がるスタジオでした。

制作側の問題について語る伊是名さん
制作側の問題について語る伊是名さん

生ライブだけじゃない、活躍の場は広がっている!

ライブに行く以外で、応援できる場所を

「ファンが芸人さんに、お金を還元できていると実感できる応援ツールがあるといいな。」と伊是名さん。

沖縄の現状として、番組出演のギャラはそんなに高くないそう。コントや漫才にお金を払う文化を確立し、グッズ販売など、芸人さんを応援できる機会を増やしてたいとのことでした。

最近ではSNS配信する人も増えているそうですが、実際はどうなんでしょうか?

SNSやYoutubeのほうが「評価されている実感」がある

ありんくりんさんもYoutube配信を行っているそうですが、収入的にはお小遣い程度とのこと。しかし、「YoutubeやSNSで評価されると、テレビでの評価よりも、ありんくりんのことを分かってくれているような気がする!」とひがさん。

コロナ禍の昨今、SNSでファン獲得に成功している芸人さんが単独ライブをすると、実際に劇場へ足を運ぶ人は少なくても、有料配信でチケットが売れているということもあるそうです。また、スーパーチャットや投げ銭などで、直接芸人さんに利益還元されているとのことでした。

SNS配信について語るひがさん
SNS配信について語るひがさん

それでも、やっぱり生が一番面白い!

コロナで有観客ライブは以前より難しくなっている状況ですが、劇場の現状はどうなっているのでしょうか?

「前よりは入っている」とクリスさん。
ご自身達や初恋クロマニヨンさんが大会で結果を残してから、以前の10倍お客さんが入っているそうです。
「盛り上がってるね~!」と、これには驚きを隠せないMCのお二人。

メディアや舞台・SNSなど、芸人さんそれぞれにあった場所があることを考えると、活躍の場は広がっていると感じるミキトニーさんでした。

活躍できる場の未来について語るミキトニーさん
活躍できる場の未来について語るミキトニーさん

芸人が自由に羽ばたけるお笑い界にするには?

事務所の垣根を超えて、みんなで沖縄のお笑い業界の盛り上がりをつくる!

才能ある若手の育成場所について、「3つの事務所が全部使える劇場をつくるべき!」とクリスさん。一旦、すべての事務所をごちゃまぜにして、毎日お笑いを見られる劇場をつくるとのこと。

これには、ひがさんも「自分たちで(沖縄のお笑いは)盛り上がってるぞ!って空気を作れば自然と制作やスポンサーの方も見てくれる」と賛同していました。

入賞2回で卒業!?ハラハラ発言に爆笑の渦

「制作者の視点では若手の登竜門的な番組をつくりたい。」と伊是名さん。しかし、沖縄では先輩芸人たちが中々卒業せず、出場回数が増えることでブランド化し、勝ちやすくなるそうです。出場条件をつけることには、ミキトニーさんも納得の様子でした。

制作と芸人で二人三脚、バラエティ制作のノウハウを培う!

「(沖縄は)バラエティ番組自体が少ないので、その制作者が必然的に少ない。だから、芸人さんと一緒に仕事するというマインドやノウハウが積み重なってない」と伊是名さん。芸人さんだけではなく制作側の育成も必要とのことでした。

お笑い劇場について語るクリスさん
お笑い劇場について語るクリスさん

沖縄のバラエティはもっと自由に!

「バラエティ番組が沖縄で成熟したら、マルチタレントじゃないと起用されづらい問題は解決するはず。」と伊是名さん。若手の起用について本気で考える伊是名さんの姿に「こんなディレクターさん中々いない!超貴重!」と感動するミキトニーさんでした。

「お願いだからお利口でいて!」営業側の願いと「面白い」のバランスは?

「海に落ちたら、内地では笑いになるけど沖縄では心配される!」と体験談に笑いを交えて説明するクリスさん。営業側から見たら、スポンサーにどう見られるかという視点があるので、行動に制限がかかることがしばしばあるそう。

これに「起用した方の特徴や、番組の目標、スポンサーの要望など、事前の説明不足で折り合いが上手く言ってないのかもしれない」と答える伊是名さん。

制作と営業は良い番組を作るために、互いにぶつかり合うことも時として必要だそう。制作が譲ったらスポンサーばっかりになるし、制作がやり過ぎるとスポンサーが離れていくし…このバランスをお互い詰めることが大事とのことでした。

「営業は営業でいいたいことがあるのかも…!」制作側と営業側の話し合いも必要だと感じるミキトニーさんでした。
以上のディスカッショから導かれた、沖縄のお笑い未来図3ヶ条は次のようになりました!

沖縄のお笑い未来図3ヶ条

  • 三つの事務所でできる劇場を作る!
  • 新人制作スタッフと一緒に成長しながら若手の登竜門の番組を制作する!
  • 芸人さんと制作サイドのディスカッションを重ねていく!

劇場は沖縄アリーナの隣に、プレハブからスタートして、どんどん大きくしていこう!と盛り上がるスタジオ。3つ目のディスカッションについては、この番組で取り上げていきたいと意気込みを語るミキトニーさん。

お笑い界だけではなく、エンタメ業界~伝統芸能界などにも広く応用ができるからとてもいいね!と明るい未来に期待するMCのお二人でした。

Guest Profile

お笑い芸人 ありんくりん ひが りゅうた(左) クリス(右)

お笑い芸人 ありんくりん ひが りゅうた(左) クリス(右)

よしもとエンタテインメント沖縄所属。ボケとネタ担当のひがりゅうたと、ツッコミ担当のクリスの実力派お笑いコンビ。沖縄の文化や風刺をコミカルに表現するネタが多い。琉球朝日放送「お笑いバイアスロン」で2018年優勝、2019年準優勝。沖縄テレビ「新春!Oh笑いO-1グランプリ」2019年、2020年、2022年優勝。

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FM沖縄 ディレクター 伊是名 優子 いぜな ゆうこ

FM沖縄 ディレクター 伊是名 優子 いぜな ゆうこ

FM沖縄で人気ラジオ番組「Radio dab(ラジオダブ)」などのディレクターを担当。最近では、若手芸人を起用した「イッピンモチヨリ」を手がける。また、「ブランク」や「インフォミュージック」などラジオパーソナリティも務める。

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