女性の社会参加の現状とは?
グラフから見る沖縄女性起業家の現状
『全国女性社長分析調査(帝国データバンク)』と『女性起業家を取り巻く環境に関する意識調査(デル・テクノロジーズ株式会社)』のグラフをもとにミキトニーさんが説明します。
2022年の「全国女性社長割合ランキング」では徳島と並んで沖縄県が1位、県内社長数12,914人のうち、女性社長数1,496人と全国でも多く、「女性社長率の推移」は全国平均と比較しても沖縄はとても高いそうです。
世界的に見ると低い日本の女性起業家指数
一方で、世界的に見た『2021年女性起業家指数ランキング』では日本は47位と65カ国中でも下の方だそう。
日本全国で見ても、9:1と女性社長の割合はまだ低く、女性活躍の推進を世界的に求められている中で、女性が起業していくことは(日本の抱える)課題の一つとまとめます。
そんな中、沖縄で女性起業家が全国的に高い割合なのは何故でしょうか?
沖縄の女性の自立と社会的背景
雇ってくれないからやらざるを得ない!?
「子どもを抱えたシングルマザーがどうにか生活しなきゃいけないとなると、個人事業主からスタートして、ビジョンやパッションが大きくなれば、法人化していっているのかな」と平良さんがお話します。
沖縄はシングルマザーが多いそうで、養育費も稼がないといけないが長時間働くことが難しい。そうなると、企業とのマッチングが難しくなってしまい、生活するために起業するしか無いのでは‥と考察する平良さんでした。
子どもと一緒に会食にも!?台湾の子育て事情
一方で、「世界的に見て圧倒的に日本は低いけど、同じアジアの台湾は6位に入っているのはなんで?何が違うの?」と疑問に思うミキトニーさんに「理由知っています!」と金城さんが答えます。
「会社に子どもを連れてきたらダメという雰囲気がないから」と続ける金城さん。親族の子育てサポートだけではなく、会社や会食にも子どもを連れてきて遊ばせてる傍らで、バリバリ働いているのだそう。また、ベビーシッターなどの制度もしっかりしているとのことです。
女性が起業することの課題とは?
「2022年の「女性起業家をとりまく環境に関する意識調査(デル・テクノロジーズ株式会社)」です」とミキトニーさん。女性が起業するときの課題として1番高いのが経営知識不足で44.1%。次が事業の専門知識不足、企業資金と続きます。
これを受けて「デル・テクノロジーズ株式会社の起業時の課題だから、高度な内容の可能性がある。」と金城さんが答えます。資金運用やキャッシュフローなど高度な問題を言ってる感じがするそうです。
グッドガールになりなさい。の弊害
「女性は完璧主義が多い」と金城さん。事業を始めるにも100点の状態じゃないと‥と思ってる人が多いと言います。これは「失敗してはいけない」という教育が根本にあるのだそう。
「TED Talks」の例を出し、日本だけでなく欧米や北欧でも、のびのび育てる男子に比べ、女子は「グッドガールになりなさい」と言われて育つことに弊害があるとのことでした。
これには「でーじわかる!」と同意するミキトニーさんでした。
※でーじ/沖縄方言で「とても」の意味
情熱で語りたいワタシと、数字で見たいアナタ
「起業してやりにくいな~とか感じたことはある?」と質問する神山さん。
「足元を見られている感はありますね」と、ざっくばらんに平良さんが答えます。プロダクトにかけた想いや、情熱を相手に訴えても「数字を見せて」と実績ベースで求められてしまうことがあるそうです。感情で動く女性と、論理的に判断する男性の意識の差に気苦労しているそう。
営業部署無くしちゃった(笑)
この話を聞いて「女性だからかはわからないけど、エシカル商品を持っていったときには『感情的な話ばっかりはちょっとね』と一蹴されたことがある」と、金城さん。
「自然を大事にしながら遊ぶ」というマインドを広げていかないと、沖縄の観光は成立しなくなるので、そのために必要な商品であると訴えたそうですが相手には刺さらなかったそうです。
「商品の販売を始めて3ヶ月で営業に行くのをやめた!未だに行かない!」と続ける金城さん。大事なスタッフの時間や情熱を無駄にしたくないと言う思いで、営業部署も無くしたとのこと。その代わり発信を一生懸命やることで、口コミで市場を増やしているのだそうです。
起業に対するミキトニーの想い
みんなで幸せになる!
「すげぇ綺麗事言ってるなアイツ、って思われそうだけど…」と話し始めるミキトニーさん。
「沖縄の女性がもっと幸せになって欲しい、そのためには自分で自身の選択肢を見つけてチョイスできる力を持って欲しい」と続けます。そういったメッセージをみんなに届けることがミッションだ!と、ご自身でも感じているそう。
「楽しい時間の共有だけじゃなく、次のステージに進んでみんなと一緒に幸せになる!」とまとめるミキトニーさんでした。
『女性の社会参加に関する現状や課題』についてディスカッションを行い、次のようにまとめました。
女性の場合、ライフステージが変わることで仕事と家庭やプライベートとの両立が難しくなってくる。
etc…
以上の課題を解決するために、どんな事ができるのかをお話していきます。
これからの男女の役割や働き方
男性が育休を取れる時代
「家庭のことは女性がやるという時代はもう終わっていると思う!」とミキトニーさん。育児だけじゃなく介護など、男性が家庭に参入することが当たり前になっていると感じているそうです。
これに「『(日本は)超高齢化社会』と言われているし、全部女性に負担を強いるのは公平じゃないよね」と神山さんが答えます。「男女平等であるべき」という言葉が無くなるほど、この言葉が浸透したら良いと考えているようですが、そのためにはどんな解決策があるのでしょうか?
「国も推奨しているように、男性が優先的に育休を取るシステムを県内の複数の企業が導入している」とお話する平良さん。男性も奥さんと一緒に育児や家事を協力分担ができる社会作りを、単独企業からもサポートしたいと考えているそうです。
しかし、実際に育休を取るとなると、「『会社が推奨しているから一応OKは出したけれど・・・』みたいなところはあると思う」とミキトニーさん。続けて「制度だけではなく、男性も女性自身も“家のことは女性がやるものだ”という意識も変えていく必要がある」と感じているそうです。
一人がいなかったら回らない企業なんて!
「私は全然(女性が家事をやらなければと)感じない!」と金城さん。旦那さんと上手く役割分担ができているのだそうです。家事を通じ、共通の話題が生まれコミュニケーションが円滑になることで夫婦仲も良好とのこと。
「制度として(男性が)育休を取れるようになったのは、去年でしょう?日本は遅くない?」と続ける金城さん。今後、一人がいないと回らないような企業は潰れていくだろうし、人材が不足している昨今、働く側が(働きやすい環境を)選べるので、労働環境のいい会社が増えていくと感じているそうです。
これには「始まったばかりなので、これからどんどん増えることを期待している!」と盛り上がるスタジオでした。
女性が起業するメリットは?
「起業は大変だけど、自分で時間の使い方を決められるのはメリットだと思う」とミキトニーさん。自分の時間を大切にしたい人ほど、(起業に)向いていると思っているそうです。
「女性の起業家やリーダーが社会に増え、女性ならではの着眼点で新しいマーケットやコンテンツがどんどん開拓されるのが楽しみ!」と続ける神山さん。(今の世の中は)詰まっているように感じているそうで、男女が切磋琢磨することで、より明るい未来になるのではとお話します。
「私も妊活から準備しました!」と金城さん。社員たちに「今年、妊活するからよろしく!」と周知したそうです。起業しても、妊活~出産までできたのは、宣言することで、会社で協力を得られたからだと感じているそうです。
しかし、妊活したからといってすぐに妊娠できるわけではないなど、女性の社会進出には様々な問題が絡み合っているそう。しかし難しい側面もあるけど、社会的に大きいメリットがあると期待しているMCのお二人でした。
人生設計とロールモデルの必要性
今の時代を生きる経営者に
「金城さんみたいに、人生設計をしっかりして周知させることは大事だと思う」と、ミキトニーさん。
計画性がないと、しわ寄せがどこかで来るので、若いうちから自身の人生設計をしっかり行い、自分なりのビジョンを見つけて、ライフイベントを逆算していくことが大切だと思っているそうです。
「でも誰も教えてくれない」と続けるミキトニーさん。なので沖縄に今の時代にあった女性経営者のロールモデルがいれば、その背中を見て続いていけるのではとまとめます。
もっと遠くに!もっと高くに!3人がロールモデル!
「色々なパターンで、タイプも違うから3人がロールモデルになったら?」とお話する神山さんに、「『いいな、この人達』と、憧れの人になれるように、私達自身もキラキラしてないとダメだなって思います!」と返すミキトニーさん。
これを受け一致団結し、女性3人の「がんばろ~~!」という声がスタジオにこだましました。
憧れの対象が生活を豊かにする
「去年の国際女性デーで身近にいる(女性の)ロールモデルをSNSにアップして『サンゴに優しい日焼け止め』をもらおう!というキャンペーンをした」とお話する金城さん。
「SNSで、憧れてフォローしている人に近づきたくて、同じもの使ってみたら『今日一日素敵だった!』と思える人が増えたらすごく嬉しい」とミキトニーさん。
「自分たちの会社はコンテンツに価値を作るのではなく、取り組みに価値を作ろうと変えた」と神山さん。コンテンツやモノだとそれだけの勝負になってしまうけど、「何故それをつくっているのか」という取り組みにファンが増えていってるのだそう。「かっこいい経営者がいたら、真似したくなるよね」と続けました。
自分らしく生きる未来を目指して
性別ではなく、「応援したい人」を応援する!
「女性だからと諦めてるとかではなくて、自分が生きたいと思う人生を、生きられるように、その選択肢の一つに『起業』という形があると良いですね」とお話するミキトニーさん。
「鳥肌が立った!今の言葉パクって良い?(笑)」と笑いを誘う神山さんでした。
「女性のエネルギーは眠らせる訳にはいかない!皆がどんどんパワーアップして楽しい人生を送りましょう!」とまとめるミキトニーさんでした。
Guest Profile
某大手メーカーで化粧品業に従事後、現在の会社を企業。沖縄の特産品である「もずく」を取り入れたヒット商品「もずくパック」など、美容関連の企画・開発を行っている。化粧品製造販売免許を有しており、ホテルやクライアントからOEM/ODMも受けている。
「世界平和」をモットーに、観光と環境の問題に取り組み、人と環境に配慮した「サンゴに優しい日焼け止め」を発売。その後、地域とビジターをつなげるクリーンアッププロジェクトを立ち上げる。