エピソード
Vol.16
有限会社池田食品 瑞慶覧 宏至 大豆加工研究所
“なくてはならない豆富屋”への
飽くなき挑戦
動画の内容
- (有)池田食品の事業とサービス
- 池田屋の大豆加工商品
- 予期せぬ転機
- 現場で見えた様々な課題
- スタッフから見た瑞慶覧社長
- 池田食品のビジョンと未来
昭和58(1983)年創業、約40年にわたり沖縄の特産品の一つである島豆富の製造・販売を手掛ける有限会社 池田食品。現在では自社ブランド「三代目池田屋」にて、国産大豆や県産にがりなど素材にこだわった「島豆富」を中心に、50種類以上におよぶ大豆製品を展開、フードトラックによる移動販売が口コミで話題になり、じわじわと人気を集めている。
その仕掛人が、池田食品の3代目代表である瑞慶覧 宏至(ずけらん ひろし)氏。幼少期より豆富作りに情熱を注いできた父の背中を見て育ってきた、“豆富屋の息子”だ。しかし幼い頃は、その“豆富屋の息子”に劣等感を抱いており、家業を継ぐことは絶対に無いと思っていたという。
その後、福岡で美容師となる傍らで飲食業の研鑽も積み、自身の夢に向かって順風満帆の日々を過ごしていた瑞慶覧氏に突然の転機が訪れる。家業を継いでいた実兄の急逝だった。訃報を機に“継ぎたくなかった”家業に向き合う事となった瑞慶覧氏に訪れた心境の変化とは何だったのか。
現場に入った瑞慶覧社長が目の当たりにしたのは、365日フル稼働しながらも年間で1,000万円以上の廃棄が発生するという非効率的な販売方法だった。その悪循環に対して活路を見出したのは、昔ながらの移動販売。“成功するイメージがずっとあった”という瑞慶覧社長は、思い切った手段で自社製品のリブランディングと労働環境の改善を実現し、大豆製品が持つ無限の可能性を切り拓いていく。
公開日 /
1983年沖縄県中頭郡西原町生まれ、3人兄弟の末っ子。同年に父が創業した有限会社 池田食品 代表取締役。
専門学校を経て福岡で美容師としてキャリアをスタート。その後、飲食業の勉強を進め、26歳ごろに知人らと飲食店と美容室の共同経営に乗り出す。その飲食店のオープン直前に家業の2代目となった実兄の急逝を受けて、家業を継ぐことを決意し、1年後に帰郷。池田食品の3代目代表取締役に就任する。
2014年頃より自社ブランド「三代目池田屋」を立ち上げ、“豆富”(同社の豆腐製品の呼称)および大豆加工食品の移動販売を始動。2016年には県内スーパーマーケットへの卸売りを中止し、移動販売による販路拡大を実施。2022年8月現在で本島中南部一帯を主な販売エリアとし、8台の移動販売車を運用するとともに、大手スーパーへの卸売りを再開する。
このほか、自社の大豆製品を素材とした島とうふ専門カフェ「CAFEソイラボ」、サブスク型置き配サービス「毎日SOYまーる」など、新たな販売スタイルを確立。さらに近隣の小学校やサークルなどを対象とした「豆富作り体験」も随時開催し、食育事業にも注力する。