エピソード
Vol.22
泡盛倉庫 比嘉 康二 泡盛コンシェルジュ
泡盛と人を繋ぐ伝道師の想い
動画の内容
- 泡盛倉庫とは?
- 泡盛倉庫のサービス
- 泡盛倉庫店長就任まで
- 直面する課題に創意工夫をこらす
- 未来の泡盛に思いを馳せる
沖縄古来より伝わる蒸留酒として沖縄県内外問わず多くのファンを惹きつける泡盛。その歴史は500年以上前に東南アジアや大陸から製法が伝来した事に始まり、琉球王朝時代には幕府への献上品として贈呈されるなどといった記録も残されている。第二次世界大戦の戦渦によって戦前に生まれた多くの古酒が焼失するという危機を経て、現在では県内各地の酒造所による創意工夫で新たな魅力を広げている。
その泡盛の魅力を世に広める伝道師として活動するのが、800種類もの泡盛を揃える会員制BAR「泡盛倉庫」を那覇で営む比嘉 康二(ひが こうじ)氏。店長として自らカウンターに立ち、妻と二人三脚で泡盛が持つ物語や魅力を伝える傍ら、豊富な専門知識を生かし「泡盛コンシェルジュ」として講演活動を展開。更に「誇酒(こしゅ)プロジェクト」を始動し、幻の泡盛「千代泉」の復活に携わるなど、奔走の日々を送っている。
当初は小学校教員を目指していたという比嘉氏。泡盛に対するイメージも「幼少期はあまり良いものではなかった」と振り返る。しかし自身の見聞を深めるために働いていたアルバイト時代に、その価値観が少しずつポジティブなものへ変化していったという。
そして比嘉氏は泡盛への理解を深める中で、2009年に「泡盛倉庫」の店長に就く機会を得る。当時の店舗は会員制BARという特殊なスタイルでの運営に加えて、人手不足などの影響もあってまだ好転していなかったという。自身をポジティブな人間と評する比嘉氏は、その精神で道を切り開いていく。
かつて100年古酒や200年古酒があったと言われる王朝時代に対し、ようやく100年古酒を作れるまでに時間を取り戻すことができた現代。そして「もっとグローバル化すべき」と語る比嘉氏が描く、泡盛の未来像とは――。
公開日 /
1985年生まれ、沖縄県宜野座村出身。沖縄工業高校を経て、沖縄女子短期大学卒。大学在学中、那覇・国際通りの泡盛専門店で働いたことをきっかけに泡盛の世界に興味を持つ。卒業後は同店に入社し、より泡盛に向き合うようになる。
2009年から会員制BAR「泡盛倉庫」の店長に就任。蔵元を訪ね歩くなど、泡盛を通した交流を広げ、BARの運営を軌道に乗せる。
2018年、宮古島の千代泉酒造所の廃業をきっかけに「誇酒プロジェクト」を始動、幻の酒となっていた泡盛「千代泉」を復活させるとともにネットショップでの販売をスタートする。
調理を担当する妻と共に、現在も「泡盛倉庫」の店長としてBARを切り盛りする傍ら、泡盛の魅力を広く発信する「泡盛コンシェルジュ」としての活動も展開。イベントでの講演をはじめ、オリジナルカクテル作りなど、泡盛を通じた琉球文化の普及に努めている。