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エピソード

「味の好みは人それぞれ。その中で“美味しいね”と言われるのが嬉しい。楽しいことをしていきたいですね」。

そう語るのは株式会社マーミヤの金城 有作(きんじょう ゆうさく)代表取締役社長。マーミヤは戦後間もない1945年に、金城氏の祖父母が石垣島で創業した「八重山かまぼこ」の店で、昭和61(1986)年と平成13(2001)年には「全国かまぼこ品評会」にて最高賞の農林水産大臣賞を受賞。主力商品の「チーズかまぼこ」や「にんにくかまぼこ」は定番おつまみとして親しまれているなど、沖縄県民なら誰もが知っている老舗企業だ。金城氏はその3代目で、30歳の時に社長を引き継いだ。

金城氏が目指すのは、マーミヤを、沖縄を代表するお土産屋とすること。その目標には琉球王朝時代、他国への献上品にされていたというかまぼこのルーツに対するリスペクトが込められている。だが、それ以上に、八重山かまぼこが昔も今も“沖縄の味”として高いポテンシャルを持っているという自信がある。「沖縄のかまぼこよりも薩摩揚げのほうが認知度がある。そういうのって何か悔しいじゃないですか」と話す屈託のない笑顔からは、老舗の味を継いできた3代目としてのプライドがにじみ出ている。

埼玉で学生時代を過ごした金城氏は、同郷の友人らと夢を追って音楽活動に明け暮れた。音楽を作り、届けるという行為は、かまぼこ作りにも似ているのだという。一見繋がりが無いような両者を結びつけるキーワードは「仲間」。東京で働いていた金城氏の人生を大きく変えたターニングポイント、70年以上守り抜いてきた伝統の味、2019年に突如降りかかった病魔との闘い、そして長年の慣習を打ち破った会社改革……。様々なエピソードを語る度、金城氏からは「一人じゃできない」という言葉が飛び出した。彼の経営哲学の中核に秘められた仲間への想いを聞く。

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プロフィール

1981年生まれ、石垣島出身。1945年創業の老舗かまぼこ店「株式会社マーミヤ」 代表取締役社長。
中学~高校時代はバスケットボール部と陸上部に所属。高校卒業後は埼玉の大学に進学、同郷の友人らと音楽ユニットを結成しアマチュア活動を行なっていた。
30歳頃、当時、那覇市寄宮にあった生産工場の移転を機にマーミヤ社長に就任。八重山かまぼこの味を全国に伝えるべく、営業活動に邁進する。
株式会社マーミヤ:1945年10月、金城豊一、ヨシ夫婦によって、石垣島で創業。地元で獲れた魚を素材とした八重山かまぼこをメインとし、オリジナル商品の「にんにくかまぼこ」「チーズかまぼこ」は長きにわたりヒット商品として県内外で広く親しまれている。
日本かまぼこ協会が主催する「全国かまぼこ品評会」では、昭和59(1984)年に水産庁長官賞を受賞したのを皮切りに、昭和61(1986)年には最高賞の農林水産大臣賞を受賞。さらに平成13(2001)年には地元食材を練り込んだ「モズクかまぼこ」で、県内企業では初となる二度目の農林水産大臣賞受賞を果たす。
現在は石垣市新川の本店を中心に、那覇市曙・牧志・前島に店舗を開くほか、県外向けにオンラインショップも展開している(2023年7月現在)。