エピソード
Vol.33
有限会社兼城⾃動⾞整備⼯場 兼城 ⼒也 自動車販売・整備
ワクワクする未来を従業員と共に描く
傾斜の厳しい坂道を自転車で登るのは、兼城 力也(かねしろ りきや)氏。兼城自動車整備工場をけん引する3代目社長だ。肉体・精神の両面を鍛えるため習慣化しており、自ら負荷をかけることで「挑戦する心を養っている」のだという。
兼城氏の経営のルーツは高校時代に遡る。当時通っていたNPO法人の英語塾が、塾の運営の傍らで町おこし活動にも取り組んでおり、兼城青年もまちづくりに携わっていった。活動への参加を通して、企画運営の楽しさや地域経済の活性化のプロセスを目の当たりにしたことで、経営の面白さに強く惹かれて渡米を決意。現地の大学で経済を学び、シアトルの企業に就職する。
アメリカ、そして中国と世界経済の最前線を渡り歩きキャリアを積み重ねていく中、実家である兼城自動車の経営が振るわない状態であったことを知る。沖縄に戻った兼城氏は自動車業界については素人だったものの、当時2億円を超える負債を抱え、役員の給与未払いが続くなど、ほとんどどん底に近い現状を打破すべく改革に乗り出す。スタッフ達とぶつかり合い、時に意見の対立もありながら推し進めた変革の中身、そして3年目に訪れた転機とは。整備と車販の両軸を確立した現在に至るまでの経緯を振り返る。
プライベートでは、ワインを趣味にしている。月1で通っているバーでは一期一会の交流を楽しむ一方で、ワインを学ぶことと会社経営がリンクする部分もあるのだという。その考えの根底には兼城氏の経営哲学が息づいていた。さらなる成長を求めて精力的に走り続ける背中を追った。
公開日 /
兼城自動車整備工場 代表取締役社長。
アメリカ・ワシントン州の大学を卒業後、シアトルの物流会社に入社。中国の支店建設からチーム編成・支店運営の責任者として就任し、キャリアを重ねる。
2011年沖縄に戻り、1960年から続く家業の兼城自動車整備工場に入社。2億円を超える負債を引き継ぎ、借金返済に向き合うなかマネジメントの原理原則に気づき、会社を立て直すべく進行形でマネジメントの研究と実践を繰り返す。
2012年より代表に就任し、整備工場から自動車販売店へと脱皮。サービスの本質を研究し地域社会になくてはならない会社のあり方を追求する。その一方で県内外の経営者セミナーに登壇し、会社経営のマネジメント手法などを発信している。
現在は車販からアフターメンテナンスまでワンストップでサービス提供できる環境を磨きつつ、新たにデジタル事業にも挑戦。整備情報の管理システム開発に取り組む。
趣味は自転車、ワイン。