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エピソード

ハワイの定番スイーツ「マラサダ」。いわゆる揚げドーナツのようなお菓子で、外側はカリッと、中はもっちりとした食感が特徴だ。そのマラサダが人気メニューの「Mermaid Bakery」(沖縄県宜野湾市)は、生地や油、素材にもこだわりを持つ街のベーカリーショップ。コーヒーやシナモンなどバリエーション豊かなテイストのマラサダをはじめ、ファンシーなトッピングのカップケーキ、カラフルなレインボーパンなどが地元の人々を中心に親しまれている。

店を切り盛りするチェリー千春氏は東京出身。どうして沖縄で店を持つこととなったのだろうか。彼女は自営業を営む両親のもと、幼い頃から自らキッチンに立って料理をこなすなど、ものづくりが生活の一部に根付いていた。高校卒業後、家庭の金銭的事情などもあって服飾系の学校への進学を断念し、就職。店長代理を任されたショップでは、手作りのミニクリスマスツリーを商品化して全国トップの売上を記録するなど、クリエイティブなセンスを生かして成功を得る。ところが当時はスキル以上にキャリアがモノを言った時代。その風潮に直面し、疑問を感じていた彼女は、やがて退職の道を選ぶ。

退職後は趣味を楽しんだ。パン教室に通い、ダイビングを始めた。好きな事への探求心が沸き上がり、パンづくりは師範クラスに、ダイビングもダイブマスターの資格を取るまで腕を磨いた。これらの趣味はやがて自身を支える職となり、現在に続く道を大きく切り拓くこととなる。

沖縄での開業は、座間味島、北谷町、そして現在の宜野湾市と、合計3回経験したが、それぞれで異なる問題に直面した。座間味島では食材の調達をはじめ、インフラが未整備である離島ならではの問題があった。そして本島に移ってからは出産、そして我が子たちの教育が身近な問題となった。自身の苦い経験があるだけに、子どもたちの教育には並々ならぬ想いがある。家族を支える存在として、経営者として、何を優先するべきか。当時の想いと決断を振り返りつつ、特別な思いを抱くハワイで叶えたいという夢を語った。

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プロフィール

Mermaid Bakery(マーメイド ベーカリー)オーナー。
東京出身、自営業を営む両親のもと、幼少期から家事の楽しさに目覚めたという。当時の得意料理はサツマイモの天ぷら。家庭の事情もあり、高校時代は学業とアルバイトを両立。一時期滞納していた学費もバイト代で賄ったという。「ちゃんと修学旅行も行ったし、達成感(でいっぱいだった)」。
高校卒業後は学業を断念し、アルバイト先に就職。販売や店舗経営のイロハを学ぶ。店舗では店長代理まで務めたが、退職。その後、パン作りとダイビングを学び、資格を取得。これがきっかけとなって座間味島に移りダイビング関係の仕事に従事。その後、知人の薦めでパン製造をスタート。座間味島、北谷町での出店を経て、2014年に宜野湾市新城の外人住宅でMermaid Bakeryをオープン。2021年7月、現在の場所に店舗を移転する。
自ら“ハワイ推し”を公言するほどのハワイ好きで、店内もハワイアンテイストの装飾が目を引く。店舗の看板メニューであるマラサダやレインボーパンは、実際に現地の味を研究してオリジナルの味を作り上げた。現在は店舗経営の傍ら、イベントへの参加などを通して地域との交流を積極的に行っている。